本当の茶人、チャールズ・ラムは、「ひそかに善を行なって、偶然にこれが現われることが、何より愉快である」、というところに茶道の神髄を伝えている。というわけは、茶道は美を見いださんがために美を隠す術であり、現わすことをはばかるようなものをほのめかす術である。この道は、おのれに向かって落ち着いてしかし十分に笑うけだかい奥義である。したがって、ヒューマーそのものであり、悟りの微笑である。すべて真に茶を解する人は、この意味において、茶人と言ってもよかろう。たとえば、サッカレー、それからシェイクスピアはもち... ...続きを見る
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「古事記」を読んでいると、「鏡の国のアリス」を思い出すんですね。アリスがヒツジのおばあさん(白の女王)と一緒に小さなボートを漕いでニオイイグサの生えている小川を下っていって不思議なお店でタマゴを買うと、それがハンプティー・ダンプティーになったり、ティードルダムとティードルディーがケンカをしてはたし合いをしようとすると黒い大ガラスが飛んできてケンカを忘れてしまったとか、これはマザー・グースが神話や風習とつながっているということなんじゃないかなと思います。谷川俊太郎さんはマザーグースを訳して絵本に... ...続きを見る
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英文学者の中野好夫さんは「シェイクスピアの面白さ」(新潮選書)の中で、「十ニ夜」という作品について次のように言われています。 ...続きを見る
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白洲正子さんが御自分の幼少時のことを、とんだ「とりかへばや物語」だが、と言われていることからシェイクスピアにも「十二夜」という「とりかへばや物語」があったことを思い出しました。「じゃじゃ馬ならし」もそうですが、こんな話を書くところがシェイクスピアが人間を熟知し天才であるゆえんではないかと、シェイクスピアをもっとよく知りたいと思ったのでした。 ...続きを見る
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「英国紅茶への招待」(出口保夫・文 出口雄大・イラスト PHP 1993)という本を読んでいたら、ブルックはイギリスに多い姓で、日本的に解釈すれば「小川」だと書いてあり、私の父の旧姓は「小川」なので急に親近感を覚えました。じゃあ、詩人のルパート・ブルックも、演出家・映画監督のピーター・ブルックもみんな「小川さん」だったのですね(^^)。ちなみにドイツではバッハが「小川さん」です。 世界で生産される紅茶のほぼ半分はイギリス系紅茶会社によって扱われているといわれ、その英国最大の紅茶メーカーはブル... ...続きを見る
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フランスのリヨン出身の日本茶カフェ「おちゃらか」のオーナー、ステファン・ダントンさんについて調べていて、そのインタビュアーの伝農浩子さんという方に興味を感じました。 伝農さんは音楽雑誌編集部、編集プロダクションを経てフリーランスになり『るるぶ情報版』、『地球の暮らし方』などの国内外のガイドブックに携わり取材やプライベートで訪れた国や地域は約40カ国。著書は『ピーターラビットと歩くイギリス湖水地方』(JTBパブリッシング)、『ミス・ポターの夢をあきらめない人生』(徳間書店)ほかだそうです。... ...続きを見る
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ウィリアム・ブレイクは詩人というだけでなく版画家でもあって以前から興味はあったけれども、今回改めてイギリス文学史の本を読み返して彼のことが理解できたし、約200年前に生まれた人で、生きている時代は違っても共感する部分が大きいと思いました。彼については次のように書かれています。 ...続きを見る
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最近やっとじっくり本を読んで勉強し考える余裕が出てきたのが嬉しいです。私は20代の頃から約4半世紀、仕事の傍ら何か自分が自信を持てる何か専門知識を得るために、どんな人とも話が出来るように本を読み続けてきたわけですが、常に気持ちに余裕がなく切れ切れにしか読めなかったのです。でも、最近になってやっと愉しんで味わいながら読めるようになったし、文学を研究するということは歴史や地理など様々な知識が必要となるわけで、文学という一見役に立たないように思えるものを通していろいろな役に立つ知識が身につけられるし... ...続きを見る
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ウィリアム王子とケイト妃の結婚式で二人が選んだというウィリアム・ブレイクの「エルサレム」という讃美歌はどんな歌なのだろうかと思っていたのですが、今ちょうど読んでいた本にそれが書かれていたので紹介します。 ...続きを見る
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ウィリアム王子とケイト妃の結婚でまたイギリスの歴史を勉強したくなり、午後はアーサー王伝説について勉強していました。アーサー王伝説ってイギリスだけじゃなくフランスやドイツにもそれにまつわる物語が存在していて、ギリシャ神話や聖書と並んで西洋文化を理解する上で重要なんですね。アーサー王は、5世紀から6世紀頃のブリテンの伝説的な王で、日本でいえば日本武尊みたいな存在なのです。 ...続きを見る
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イギリスのスコットランドは日本では岩手県や青森県にあたるという感じがします。源義経(牛若丸)は、兄の源頼朝と対立し奥州へ落ち延び最期は平泉で自刃したわけですが、それからイギリスのスコットランドのステュアート家の美男の王子チャーリー(Bonnie Prince Charlie)を連想しました。 ...続きを見る
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東北地方がイギリスと似ているというのは宮澤賢治も感じていたそうで、宮澤賢治は自分の地元である岩手県花巻市の北上川と支流猿ヶ石川の合流点から南にかけての北上川西岸に、イギリスのドーバー海峡に面した白亜の海岸を連想させる泥岩層が露出することにちなみ、「イギリス海岸」と名付けています。 ht... ...続きを見る
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マシュー・アーノルドについて興味を持ったので、どんな人か調べてみました。 黒髪のケ... ...続きを見る
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ケイト妃の印象は古風な女性という感じがします。髪は褐色でなんとなくスペイン的な印象もあります。イギリスという国は島国ですが、様々な人種のるつぼなのだそうで、金髪のケルト人が渡来する数千年も前におそらくスペインからブリテン島にやってきた「黒髪のケルト人」がいたそうで、もしかしたらケイトさんはその「黒髪のケルト人」の末裔なのかなと思ったりします。「ありのままのイギリス 幻のケルトからダイアナ妃まで 不思議な国の魅力と謎」(石井美樹子 日本文芸社)には次のように書かれているのです。 黒髪の... ...続きを見る
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今日の静岡新聞にケイト(キャサリン)妃のプロフィールが紹介されていて(王室の発表資料や英国メディアの報道を基に作成したもの)、それで彼女がどんな方かかなり良くわかりました。 ...続きを見る
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ウィリアム王子とケイト妃の結婚式で、報道の女子アナウンサーはやはり若いせいかウェディングドレスにすごく注目していたみたいだけど、私はもともとあまりそういうものには関心がなくて、やっぱりわれながら「おやじ」だなあと思ってしまします。芸術家としてのデザイナー自身や作品には関心を持ったとしても、自分自身があまりブランド物に縁がないし、あまり欲しいとも思わないのですね。お化粧もしないので、デザインよりも素材の方をより重視しますし。結婚式だって憧れよりもまず大変だろうなと思ってしまいます(^^;。 も... ...続きを見る
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ウィリアム王子とケイトさんのロイヤル・ウェディング、生中継で見ましたが、本当にいい結婚式でしたね!(^^)。今日は私はほぼいつも通りに元気になったとはいえ、胸の奥底に物悲しい気持ちが残っていたのですが、この結婚式を見て新しい時代への希望を感じ、同時に厳かな式の中で語られた言葉から信仰と愛の大切さを改めてかみしめていました。 ケイトさんには気高さと聡明さ、そして人柄の温かさと慎ましやかさを感じ、庶民の家柄とはいえ持って生まれたものというのはやはりあるのだなと思いました。ケイトさんの家族は本当に... ...続きを見る
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つぎに思いだすのは、その兵隊が、イギリスの、ある小さい部屋で、雑嚢をあけていたときのことです。兵隊さんのおくさんが、うれし泣きに泣きながら、その人にかじりついていて、兵隊さんのひざには、小さいキッツィという女の子がすわっていました。 「ほら、キッツィ、おとうちゃんが、わざわざフランスからもってきてくれたものをごらんよ。」 「うー!」と、小さい子はいいました。「かわいね!なんて名まい?」 「そうだな、」とおとうさんはいいました。このひとは、人形の名まえがセレスティーンだとは知りませんでした... ...続きを見る
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12時のかねがなりました。レイン先生はねむっていました。おくさんは、そっとベッドからおきだして、窓のそばにおいてあるジャスミンのにおいをかぎ、公園の上に出ている月をながめました。リトル・エグハムの月は、この村で一ばんいいいながめといってもいいようなものでしたが、村では、わざわざ、これを見ようと考える人はいません。おくさんは、パジャマすがたで窓べに立ち、おだやかな形のニレの木のむこうに見える教会の塔や、何百年ものあいだ、子どもたちが遊んだ、しずかな芝生や、銀色の光の中に眠っている、あかりを消した... ...続きを見る
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震災が発生してから今日でちょうど1週間が経った。これまでのことを考えるとまるで戦争のようだとずっと思っていた。街が炎上し、街が壊滅し、生き別れになった家族を探してさ迷う人々、食料や衣服や燃料や薬もなく、買い出しに人々が列を成す姿は戦後の闇市のようでもあったし、救いの手をただ待つ見捨てられそうになっている多くの人々。私自身は、ただ今何ができるかを必死で考え、自分と人々を励ますためにブログを書き、いつも通り仕事に通うことしか出来なかった。家族が亡くなった時、初七日というように、人は精神的なショック... ...続きを見る
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日本における地震の観測の歴史で重要な役割を果たしたのはジョン・ミルン(1850−1913)というイギリスの科学者で、日本地震学の基礎をつくった人です。鉱山技師、地震学者、人類学者、考古学者。東京帝国大学名誉教授。 ミルンはイギリスのリバプール出身で、1875年に来日して当時の工学... ...続きを見る
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ファージョンの「モモの木をたすけた女の子」の翻訳者である石井桃子さんは、なんと地震が起きた3月11日の前日の3月10日が誕生日だったということを知りました。 ファージョンはたくさんの神話や昔話を読んで育った人であり、「モモの木をたすけた女の子」は70歳を過ぎたファージョンがそれまでに書いた子どものお話のうちから27編を自選して編んだ「... ...続きを見る
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「始め方がわるいんですよ!」とティードルダムはさけびました。「ひとをたずねてきたんなら、まず最初に、ごきげんいかが、と言うもんです、それから握手するもんですよ!」ここでふたりの兄弟は抱き合って、それからアリスと握手するためにたがいにあいている方の手をさしだしました。 アリスはどちらかの手をさきににぎれば、もうひとりの気持ちを傷つけることになると考えました。そこでこの難事をきりぬけるため、いちどに両方の手をにぎりしめました。とたんに、三人はぐるぐるおどり回り始めたのです。それはごくあたりまえ... ...続きを見る
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スーパーマリオブラザーズはコンピューターゲームの主人公ですが、「鏡の国のアリス」にもティードルダムとティードルディーという二人の太った小男が登場するのを思い出し、どんな内容だったか読み返してみました。 ...続きを見る
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「鏡の国のアリス」の中でハンプティー・ダンプティーは「ジャバウォッキー」の詩の意味をアリスに教えてくれます。 ...続きを見る
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今日の午後はなんだか気分にゆとりがあったので、ルーシー・ボストンの作品に目を通していた。「海のたまご」「リビイが見た木の妖精」は以前から好きだったけど、「グリーン・ノウ」シリーズもいいなあ〜。「グリーン・ノウの煙突」なんかタイトルからしていいし、「グリーン・ノウのお客さま」も森や桃というキーワードに目がいってしまった。イギリスの児童文学が何が素敵って、まずこのような古いお屋敷が舞台になっていること。そういう意味でルーマ・ゴッデンや「トムは真夜中の庭で」のフィリパ・ピアスもいいです。人間が営んで... ...続きを見る
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「これですっかりさ。」とハンプティー・ダンプティーは答えました。「さよなら。」 なんだかだしぬけすぎるわ、とアリスは思いましたが、じぶんが行っちゃわなきゃならないことを、こんなにはっきり言われてしまった以上は、ぐずぐずしているのは失礼だと感じましたので、立ち上がって手をさしだしました。「さようなら、もういちどお会いするまでね。」できるだけうきうきした調子でこう言ったのです。 「もし、もいちど会うにしたところで、わしにはおまえさんがわからんだろうよ、」不平そうな声でハンプティー・ダンプティ... ...続きを見る
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「鏡の国のアリス」の中で、ハンプティー・ダンプティーがアリスに教えてくれた歌。 ...続きを見る
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「おれがことばを使う場合にはな」ハンプティ・ダンプティは、いささか人を小ばかにした調子で言いました。「おれが表したいと思うものをぴたっと意味するんだ―以上でも以下でもないんだ」 「問題は」アリスは言いました、「ことばに、そんなにいろいろなことを意味させられるかどうか、ってことですわ」 「問題は」ハンプティ・ダンプティは言いました、「どっちが主人か、ということだ―それだけさ」 アリスは、すっかりまごついてしまって、何もいえませんでした。で、しばらくすると、ハンプティ・ダンプティはまた言い始... ...続きを見る
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「まあ、きれいなベルトをつけているのね!」アリスはとつぜん言いました。(「年の問題はもうたくさんとアリスは思いました。それに、ほんと、かわりばんこで話題をえらぶのだとしたら、こんどはアリスの番でした)「少なくとも」アリスは考え直して訂正しました。「きれいなネクタイ、と言えばよかったんでしょ―いいえ、ベルトのつもりで―あら、ごめんなさい!」アリスはあわてて言い足しました。ハンプティ・ダンプティが、すっかり怒った顔をしたからです。で、アリスはその話題をえらばなければよかったと考えはじめました。「ただ... ...続きを見る
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「さよう、王さまの馬がみんな、兵隊がみんなだ」ハンプティ・ダンプティはつづけました。「みんなして、すぐにおれを拾い上げてくれるだろう、きっとな!だが、この話は、進み方がすこし早すぎるな。前の前の文句に戻ることにしようぜ」 「わたし、よくは思い出せませんけど」アリスはたいへんていねいに言いました。 「その場合は、やり直しすればいい」ハンプティ・ダンプティは言いました。「こんどはおれが話題をえらぶ番だ(「この人、まるでゲームみたいに言うんだわ!」アリスは思いました)「そら、こっちは聞くぜ。おまえ... ...続きを見る
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「どうして、こんなおそとに、ひとりぼっちで腰かけてるの?」アリスは、議論をくり返したくなかったので、言いました。 「そりゃね、だれもおれといっしょにいないからさ!」ハンプティ・ダンプティは叫びました、「そんなことにわしが答えられんとでも思ったのかい?もひとつ聞きな」 「地面におりてたほうが安全だとは思わなくって?」アリスは、それがまたひとつ謎をかけるみたいなものだなどとは思いもせず、ただ、やさしい気持ちからこの奇妙な人のことが心配になって言いつづけました。「その塀、とっても狭いんじゃなくって... ...続きを見る
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ここで、私は詩を読むことができますか?
「鏡の国のアリス」にハンプティ・ダンプティが登場するので、どんなシーンだったのかと興味を感じ、読み返してみました。 ハンプティ・ダンプティは高い壁のてっぺんに、トルコ人のように両脚を組んで、腰かけていました―あんまりせまい壁なので、アリスはよくつり合いがとれるものだわ、と思ったくらいです―そして、目は反対のほうにじっとそそがれていて、アリスのことなどもっとも気にもとめないで、きっと詰めものの人形だとアリスは思いました。 「でも、ほんとに卵そっくりだわ!」アリスは大声で言い、相手を... ...続きを見る
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ハンプティ・ダンプティってなぜタマゴなのかってずっと疑問に思ってたんだけど、ふと、それは鳥になる前の状態だからじゃないかって思いました。鳥=詩人になる前の状態では、繊細で傷つきやすく壊れてしまったら決して元には戻らないから、周囲の人は取扱には十分気をつけてあげないといけないし、殻を破って雛になるのには温めてあげなくてはいけません。そして自分でもいつも用心深く傘を持って歩いている、だからイギリス人なのです。 ...続きを見る
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朝テレビ欄を見て絶対見なきゃと思っていた「メリー・ポピンズ」だけど、夕食後疲れて寝てしまったりしてうっかり見逃しそうになり、でも1時間ちょっとは見れました。原作とはストーリーは全く別だけど、それだけ作者がこの童話に込めたメッセージがストレートに伝わってきました。 メリー・ポピンズの雇い主のバンクスさんはその名の通り、仕事一筋の銀行マンで、家庭を顧みる暇もなく、妻は婦人参政権運動に夢中で子供た... ...続きを見る
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「あなたは ミツよりにおやかだ。 あなたは ハトよりあたたかだ。 あなたは この世のすべての男が、 もとめさがしているような人。 あなたがいなければ、世はくらやみ。 そのことだけは、何よりたしかだ。 あなたをもとめてきたぼくに、 どうぞ「はい」といってください。」 ...続きを見る
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今朝の「あさイチ」のメインテーマは「"JAPA"なび 不思議がいっぱい 天空の町 〜和歌山・高野山〜」でした。 高野町町石道の55町石に「袈裟掛石」があり、弘法大師がこの石に袈裟をかけました。この石から... ...続きを見る
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コリンは、メアリーに、いろんなことをききたがりました。メアリーが、いつここへきたのか、まい日、なにをしているのか、メアリーも、じぶんみたいに、原っぱがきらいか・・・・などと。インドや、ながい航海の話は、とくに、コリンをよろこばせました。 「メアリー、きみはいくつなの?」 さいごのころになって、コリンはメアリーにたずねました。 「十歳。あなたとおんなじよ。」 「どうして、ぼくが十歳だということを、しってるんだい!」 コリンはおどろいていいました。 「だって、あなたが生まれたとき、... ...続きを見る
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メアリーは、はじめ、ろうそくを手にしたまま、息をとめて、ドアのところにじっとしていましたが、やがて、そろそろと、男の子のほうへちかづいていきました。 男の子も、ろうそくの火に気がついたらしく、泣くのをやめて、じっと、メアリーのほうを見つめました。大きな、メノウみたいに灰色の目です。 「だれだ、おまえは。ゆうれいか。」 男の子が、こわそうにいいました。 「ゆうれいじゃないわ。あなたこそ、ゆうれいじゃないの」 メアリーは、おもいきって、いってみました。 男の子は、いつまでも、メ... ...続きを見る
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春さきのヨークシャーのお天気ほど、あてにならないものはありません。ひるまは、あんなにお天気だったのに、夜はどしゃぶりの雨。メアリーは、雨がはげしく窓ガラスをたたく音に、目をさましました。 (まあ、なんていじわるな雨なのかしら。せっかく、あしたの楽しみにしていたのに。) メアリーは、すっかりかなしくなって、まくらに顔をうずめながら、しばらく、雨の音に耳をかたむけていました。 雨は、はげしい風をともなって、あらしになっています。 (ほんとうに、風の音って、ムーアをさまよう、旅人の泣き声... ...続きを見る
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「ところで、このたね、どこへまくだね。おらが手つだってやるだよ。」 メアリーは、こまってしまって、ひざの上で、両手をぎゅっとにぎったり、ひらいたりしていました。 (この子に、いったほうがいいかしら?いわないほうがいいかしら・・・・。) しばらく考えていましたが、とうとう決心すると、メアリーは、きっぱりといいました。 「ねえ、男の子って、ひみつをまもれるものなの?」 「まもれるさ、まもるとも。だからこそ、おらあ、キツネの子や小鳥たちと、友だちになれたでねえかあ。キツネや、小鳥の巣のひ... ...続きを見る
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「そのバラはどうなったの?」 「そのまんまでさあ。もっとも、二年まえぐれえまでは、わしも、年に一どか二ど、めんどうを見ていましただがね。」 「バラは、まだ、かれていないかしら?」 「さあ、春になったら、また、芽をふくのもあるかもしれねえ。でも、おじょうちゃん、なぜまた、そんなにバラのことばかりきくだね。」 ベンじいさんが、じろじろ見るので、メアリーはこまってしまいました。 「ううん、あたし、あの、バラをうえてみたいな、とおもって。」 ベンじいさんが、なおもうたがわしそうに見ている... ...続きを見る
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メアリーの仕事は、おひるごろまでかかりました。メアリーがはたらいているあいだじゅう、コマドリが、まわりをとびあるいていました。きっと、じぶんの巣のあるところが、きれいにしてもらえるので、うれしいのでしょう。 その日、おひるごはんをとくにたくさんたべて、メアリーはマーサをよろこばせました。 「なわとびが、こんなにてきめんにからだにいいとはおもわなかっただ。」とマーサはいいました。 「ねえ、マーサ、あたし、ちっちゃなシャベルがほしいんだけど。」 食事がおわると、メアリーは、マーサにたの... ...続きを見る
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今日はひたすら本を読んでいました。ぺネロピ・ファーマーの「冬の日のエマ」とか、二ーナ・ボーデン、キャサリン・アン・ポーターとか私が以前出逢って大喜びで本を集め、でもきちんと読む余裕がなかった本達を本棚から取り出してきました。 やはり、英米文学っていいですよね(^^)。キャサリン・マンフィールドとかエミリ・ディッキンソンとか繊細な作品もあるし、キャサリン・アン・ポーターなどの誇り高い感じも好きです。映画や音楽や詩にももっと詳しくなりたいなあ・・・。 ...続きを見る
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http://www.youtube.com/watch?v=JmcA9LIIXWw&feature=fvw ← Culture Club - Karma Chameleon 昔はやってた頃、カルチャー・クラブって好きじゃなかったんだけど、こうして見ると米米クラブみたいだし、美輪明宏さんみたいでもあるよ(^^)。ミシシッピー、ニューオーリンズ、フランス貴族の退廃の香りのポップ。フェリーニっぽい。 ...続きを見る
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http://www.youtube.com/watch?v=Q5w8EooYar8 ← ノーランズ ダンシングシスター で、私はポップが好きなので、こんな歌を。ノーランズ、懐かしい〜!可愛くて好きだった(^^)。でも、こんなにお色気路線だったっけ? ...続きを見る
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人生の楽しみ方を教わったのは、チャールズ・ラムだ。「エリア随筆」を書き、人生をユーモアと機知で眺め「私は愚かな人が好きなのです」といったラムは生きることの達人だった。世界の文学は何はともあれ、人生の楽しさを味わわせてくれるが、文化が違うと、同じ人生を見る目も、多少異なってくる。ドイツ人が青春とメランコリーと音楽を愛し、フランス人が感覚の繊細さと理知の美を愛するのに対し、ラムのようなイギリス人はこの人生の手ごたえそのものを愛しているようだ。イギリス文学はまず人生経験を愛する文学といえる。 適... ...続きを見る
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十ニ夜にケーキを出して豆の王様(王女様)を選び出す時には次のような歌が歌われました。 ...続きを見る
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最近、「メアリー・ポピンズ」や「鏡の国のアリス」など子どもの時に読んだ児童文学を読み返していますが、そのお話に登場するお菓子や植物について知る必要が出てきて、以前買って時々眺めていたハーブ研究家の北野佐久子さんの著書を読み返しています。 私は20代後半にポプリ研究家の熊井明子さんに憧れて熊井先生の著書を読んだりポプリの講座に通ったこともありましたが、結局きちんと身につかず講座に通っても話しかけたり質問する勇気もなくて、やっぱり雲の上の方なのだなと落ち込むこともしばしばでした。その後、北野佐久... ...続きを見る
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「鏡の国のアリス」を読んでみると、その時代背景に加え、イギリスの習俗についての知識がないと理解することは難しいと思いました。特に、ガイ・フォークスデーとイギリスの料理について知らなければ、この物語の意味は理解できないと思うのです。 「鏡の国のアリス」で最後に主人公のアリスは、赤の女王と白の女王とのディナーに臨みますが、赤の女王は赤ワインと肉料理、白の女王は白ワインと魚料理、そういう設定になっていると思います。そしてデザートにプディング。 白の騎士が作ろうとしたプディングは、吸い取り紙や火薬... ...続きを見る
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アイルランドの昔話「詩人トマスの話」の中で、竪琴弾きトマスが森の小道で美しい貴婦人に会い一曲所望されて見事に弾いたということや、白馬の王子・白馬の王女ということから、「鏡の国のアリス」で白い騎士がアリスとの別れ際に歌を歌うのは、白い騎士つまりルイス・キャロルが自分自身をアリスを救済する白馬の王子になぞらえていたからではないか、ふとそう思いました。 一生を大学の中で暮らさなければならない彼は、7歳という子どもの年齢を6ヶ月越え、これから外の世界に旅立って行ってしまうアリスを救済する真の白馬の王... ...続きを見る
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ときには草のしげった丘で 小馬車の車輪をさがしてもみた。 まあこんなのが、」(と目をまたたいて) 「わしの金もうけというものじゃ― それだで、わしは、閣下の健康 祝していっぱいたのしく飲もう。」 ...続きを見る
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けれどもわたしは練り粉の菓子を たべて暮らそう工夫をしていた、 練り粉の菓子で日ましにすこし ふとろうてだてはないものかと。 それゆえ、わたしはじじいの顔が 青ざめるまでこづきまわした。 そしてさけんだ、「さあさあ、おまえの くらしのぐあいを話さんのか!」 ...続きを見る
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「なつかしい本の記憶 岩波少年文庫の50年」(岩波少年文庫別冊)に林容吉さんの文章があることがわかり、さっそく注文しました。「「メアリー・ポピンズ」を書いた人」という題で「図書」(1963年11月号)に掲載された文章が収録されていました。 石井桃子さんとは以前から親しくしていていつも子どもの本の話をしていたそうで、太平洋戦争が決定的になった頃に石井さんから「メアリー・ポピンズ」の原書を読んでみないかといわれて借りて、夢中になって学生の勤労動員の付き添いに持参するほどで、乗り物の中で読んで「英... ...続きを見る
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私は小学生の時に「メアリー・ポピンズ」のシリーズを読み、それがとても愉しかった記憶があり、それは私の幸せな子ども時代の思い出に繋がっています。中学生になり、勉強や部活などや友人関係で余裕がなくなった私はもう児童書とも漫画ともお別れしたのですが、小2から小5までの私は、一応いつも一緒にいる友達もいたし、家に帰れば母もいて落ちついて自分の好きなことができたので、その当時の私はまるでイギリスの子供部屋の中にいるようだったのです。 ます「公園のメアリー・ポピンズ」それから「とびらをあけるメアリー・ポ... ...続きを見る
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火曜日の講演会で清水真砂子さんは、今年古くからの親しい御友人に会うためにロンドンとスウェーデンのウプサラに行かれたことをお話してくださいました。ロンドンに行かれたのは6年ぶりだったそうですが、ロンドンではケンブリッジのフィリパ・ピアスさんのお宅を訪ねられたそうです。娘さんのサリーさんは今40代で、その声がピアスさんにそっくりだったこと、サリーさんの御主人はロンドンで編集者の仕事をされていること、お宅は製粉工場だった建物で2軒続きの一軒を改装した建物だったということなどをお話してくださいました。... ...続きを見る
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「先生とわたし」(四方田犬彦 新潮文庫)に、由良君美がヴァン・デル・ポストの著作集の企画に携わった経緯について記した部分がありますが、ヴァン・デル・ポストは南アフリカの作家・人類学者でありイギリス王室のチャールス皇太子の後見人となった方で、彼が戦時中にマレー半島で日本軍の捕虜となった体験をもとに執筆した「影の獄にて」は、大島渚監督により映画化され坂本龍一や北野武が出演した「戦場のメリークリスマス」の原作なのです。 ヴァン・デル・ポストはアパルトヘイト政策下の南アフリカにオランダ系一家の子弟と... ...続きを見る
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先日、ブックオフの105円コーナーで「ケルトの白馬」という題名と作者がローズマリー・サトクリフというのが目に入って手に取ったこの本。訳者は灰島かりさんという方で、資生堂「花椿」編集部、コピーライターを経て、御主人のお仕事の関係でイギリスに滞在、英国ローハンプトン大学院で児童文学を学び、子どもの本を中心に英文学の翻訳と研究に携わられているという、本当に羨ましい経歴なんですね〜。その上娘さんもいるなんていいな〜。 ...続きを見る
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「あなたは悲しそうだ。」気づかわしそうに騎士が申しました。「あなたをなぐさめるために、ひとつ歌をうたわしていただけませんか。」 「その歌、とても長いんじゃない?」とアリスはたずねました。なにしろ、きょう、アリスはとてもどっさり歌を聞かされていましたから。 「ええ、長いです、」騎士は答えました。「でも、それはそれは美しい歌なのですよ。わたしがこれをうたうのを聞いた人は、みんな―涙を目にうかべるか、それでなきゃ―」 「それでなきゃ涙なんかうかべなかったんですよ、もちろん。・・・・。」 ... ...続きを見る
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「ところで、わたしのいままでにやった一番手ぎわのいい仕事と言えば、」ちょっと黙っていてから、騎士は話しつづけました。「肉料理が出ているあいだに新しいプディングを考えだすことでした。」 「次のお料理に間に合うようにそのプディングをつくらせるんですの?」とアリスは言いました。「それだったら、たしかに早わざだったと言えますわ!」 「いやいや、次の料理ではありません!」騎士はゆっくりと考え考え申しました。「いやいや、けっして、次のお料理ではありません。」 「じゃあ、次の日にちがいないわ。あ... ...続きを見る
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「鏡の国のアリス」を何度も読み返して、このお話はイギリスのガイフォークスデーのお話であり、子供部屋が舞台になっているという意味で、クリスマスの夜の出来事を描いた「クルミ割り人形」のようなお話だなと気づきました。 このお話には、チェスの駒の人形、白と黒の子猫、マザーグースの登場人物、お店で出会う編み物をしているおばあさんのような羊、そして大工とセイウチ、カブトムシやカなどの虫、汽車の中のヤギなどの動物、花壇の花、そのほとんどが動植物であり、アリス以外には現実世界の人間は登場しないのです。 そ... ...続きを見る
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昨夜、そういえばこれも中世の夢について書かれたものだったなあと思い、「星を求むる蛾の想い 中世英文学における至福願望」(多ヶ谷有子 八千代出版 1996)を読み返してみた。そして、バラッド(バラード)について書かれた箇所があり、現代とは一見関係がなく役に立たないかに思われたこの古典、中世英文学についての本が、現代のポピュラー音楽を理解する上で役に立つことがわかったのです。 ...続きを見る
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ここで、ニールgaminのは消えています
詩の出版社の七月堂の知念明子さんは、おばあさまの代から東京に住んでおられるそうで、おばあさまがよく家で三味線を弾いていたということでした。亡くなられた社長の木村栄治さんも、音楽がとてもお好きで音響機器を御自分で設計されるくらいの方だったそうで(設計のみで製作までは行かなかったので製品化できたらいいのにと知念さんは言われていました)、小川彰さんのコンサートの会場のソフィアザールのオーナーの遠藤年彦さんとも、実は若い頃音楽を通してお知り合いだったのだそうです。そして知念さんと遠藤さんは学校が... ...続きを見る
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うっかりしていて昨日と間違えていましたが、今日は11月5日、イギリスではガイフォークス・デーです。ガイフォークス・デーとは、1605年にイギリスで起きた火薬陰謀事件の記念日。この事件は、圧迫され続けてきたカトリック教徒の不満分子が、国会の開会式の当日、隣席するジェームズ一世もろとも議事堂を爆破しようとした事件であり、密告者が出たため陰謀が露見し議事堂の地下に隠れていた点火役のガイ・フォークスが捕えられ事なきを得た事件で、議会は事件の当日を「救助を永久に神に感謝する日」として翌年から公休日とした... ...続きを見る
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今日の午後は予習。「世紀末ロンドンを翔んだ女 −メアリ・ウォルストンクラフトを追う旅」(十返千鶴子 新潮社 1990)を読み返してみる。メアリ・ウォルストンクラフトは「フランケンシュタイン」のメアリ・シェリーの母で「女性の権利の擁護」を著した女性。私はこの本を買った当時、特にメアリ・ウォルストンクラフトという女性に関心があったわけではなく、ただ本の匂いのようなものに惹かれて買ったのであり、ほとんど理解はしていなかった。 ...続きを見る
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さて、ハーディングが、はじめて子ジカを見たころのことだったが、渡し場の向こう岸に、一つの城跡があった。住むにたえない廃墟だったにもかかわらず、誇り高いロザリンドが、身よりもなく、ただひとりそこに住んでいた。そして、城が「時」により、廃墟というところまでくずれおちながら、かつてそこにあった堅固さ、美しさを失わずに、はだかのすがたで人の目にさらされたように、その血すじの遺物であるロザリンドも、かの女の家に伝わる最も高貴なもの、堅固なもの、美しいものを保存し、あらわに示していた。 ロザリンドは... ...続きを見る
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「ピーター・ラビットのおはなし」をはじめ、その生涯で28冊もの絵本を残したビアトリクス・ポターは47歳で地元の弁護士と結婚しますが、その年まで彼女は自分が家事をすることはなかっただろうということです。 ポターはロンドンの富裕なアッパー・ミドル(中産階級の上)の家庭に生まれ、料理と家事をまかなう女性をはじめ、執事など5人もの使用人がいたのです。ポターの身の回りは乳母が面倒を見て、教育は家庭教師、それがビクトリア時代のこの階級の娘としてはごく当然のことでした。彼女は40歳近くまで自宅の4階の家で... ...続きを見る
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「ガリヴァー旅行記」という言葉は誰もが耳にしたことがあると思いますが、みなさんその内容を知っていますか? ...続きを見る
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水浴といえば、「ほしひめ」のお話と、ファージョンの「リンゴ畑のマーティン・ピピン」の第一話「王さまの納屋」のお話を思い出しました。 「王さまの納屋」は、女ながら村の鍛冶屋として生きなければならぬ若い女性と、放浪の無一文の王さまとの恋のお話です。 ...続きを見る
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今朝、朝日新聞を見たら、川勝堅二・元三和銀行頭取(86)が4日に死去されたという訃報が掲載されていたのでビックリしてしまいました。川勝氏は、三和銀行を関西の都市銀行から全国区に押し上げる一方、財界や文化事業にも尽力し大きな功績を残されたのだそうです。京都府出身、1948年三和銀行入行、二度のロンドン支店長、国際本部長を歴任。関西日英協会の会長として英国との縁を深め、86年にチャールズ皇太子とダイアナ妃が京都を訪れた際には、案内役も務められたそうで、亡くなる直前まで精力的に活動されていたそうです。... ...続きを見る
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こうして、ついに、ジェラードが二十一歳を迎えるまえの冬がやってきた。木々が、はだかになると同時に、かれの心も、つぎの春、みどりが芽ぶくまで、シアを見る望みをすべてすてた。雪が来、ジェラードは羊のせわをし、思い出を数えた。ジェラードじいは、羊のせわをし、金貨を数えた。金貨の数は、約束どおりの数になり、ジェラードじいはきたるべき四月と、かれのからだの自由になることを夢みた。若ジェラードもまた、きたるべき四月と、かれの心を解き放すことを夢みた。そして、おそらく大地も、牧場をおおう氷の下では、水を解き... ...続きを見る
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私が若い頃勤めていた会社は、三和銀行系列のシステムの開発・保守・運営・パッケージ販売などを業務としていた会社であり、私がお世話になった会長も社長も役員や職員の一部も三和銀行からの出向でした。私がお世話になった会長は長く会社を背負ってこられた方で岐阜出身でした。社長は銀行時代はずっと国際畑を歩かれてきた方でしたが、三和銀行は都銀の中ではどこよりも国際化に先駆けた銀行だったそうです。昭和28年にサンフランシスコ支店が設立され、ニューヨークに証券トレー二ーを派遣し、私がお世話になった社長も同じ昭和2... ...続きを見る
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七夕には、牽牛は天の川にカカサギが翼をならべて作った橋(カササギの橋)を渡って織女のもとに通うとされています。そして、このカササギはいったいどんな鳥かというと、実はカラス科で体は白と黒、そして長い尾羽根を持っている鳥なのです。 このカササギがなぜ白と黒の姿になったかというと、キリストが磔の刑に処せられた時、他の鳥と違ってこの鳥だけが哀悼の意を示すこ... ...続きを見る
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ジェラードは、シアに、じぶんのいちばん秘密にしている鳥の巣を見せ、いちばんだいじにしている花を見せた。その巣や花は、ジェラードにとってだいじなものであるゆえに、ジェラードのものなのだった。かれは、これらのものを、シア以外のひとに気をゆるして見せるようなことはしなかったろう。谷間の大きな湿地の牧場で、かれは、一度、春にもえだすあらゆるみどりの草にかこまれて、金色のじゅうたんを敷きつめたように咲いているキング・カップを見せた―その何千というキング・カップのあいだには、銀白色から紫までの、あらゆる色... ...続きを見る
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小屋につくと、シアは、サクラのはだかの幹にさわりながら、しばらく、そこに立っていた。そして、ジェラードは、かの女が、つぎに何かをいい、何かをするのを待ちながら、満足してかの女を見守った。とうとう、かの女は、かすかな微笑をうかべて、いった。 「あたし、のどがかわいた。」 そこで、ジェラードは家にはいり、木のコップにいっぱい、乳をいれてもってきた。シアはそれを飲んで、いった。 「羊飼い、ありがとう。ここの林のスミレは、なんてきれいなの。」 「すこしとりましょうか?」ジェラードは聞いた。 ... ...続きを見る
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若ジェラードが十七の年、朝早く丘に坐っていたとき、ひとりのすらりとした少女を見かけた。少女は、芝生の土を走り、日の光をあびて笑い、時には、立ちどまって鳥の飛ぶのを眺め、かがんで、足もとに咲く花をつんだりした。そして、おどるような足どりで丘の頂きまできて、ジェラードに気がついた。すると、かの女の晴れやかさは消え、はにかみがその全身をつつんだ。しかし、かの女の内にある小さな誇りが、逆もどりすることをさまたげた。少女はジェラードのすぐすばまでやってくると、立ちどまっていった。 「羊飼い、おはよう。... ...続きを見る
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しばらくのあいだ、ジェラードはかの女をだき、火の光でその顔を見守っていた。それから立ちあがり、長いすの上にしいてあった古いししゅうのマントで子どもをくるむと、外に出た。そして、ヤギのように確かな足どりで、勝手知った山道づたい―道路はなかったから―暗い丘をこえていった。ジェラードの腕は、その重荷でいたんだ。しかし、かれは、かの女の父の館の門につくまで、シアを起こそうとしなかった。それから、かの女をしずかにゆりおこし、地面に立たせると、すこしばかり面くらったかの女は、いったい、ここはどこかというよ... ...続きを見る
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少女が、かわいた木の葉をなげこむと、それはチリチリとちぢんでいった。ジェラードは、白い灰をかきおこし、もえさしに息を吹きかけて、その上にシダの葉をおいた。すると、葉は、人の血管の形にもえはじめ、一度死んだシダの葉は、きらめく精になったかと燃えたが、やがて灰になって、灰のなかに沈んだ。それからジェラードは、ひとにぎりの小枝やふとい灰をもってきて、灰の上にさまざまな種類の木で城を築きはじめた。少女は、ジェラードのブナの上に、じぶんのハシバミをのせたり、ジェラードのカシワの上に、じぶんのモミをのせ... ...続きを見る
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―伝令といったらまあ、小声でささやくどころか、あらんかぎりの大声をふりしぼってがなり立てただけなのです。「やつらはまたまた始めましたあ!」 「おまえ、それを小声だなんて言うのかえ!」とびあがって、からだじゅうぶるぶるさせながら、あわれな王さまは申しました。「もいちどそんなことやってみろ、おまえなんかバターをぬりこくってやるから!わしの頭がまるで地震みたいにぐらぐらしたじゃないか!」 「ずいぶんちっぽけな地震だこと!」とアリスは思いました。そして「だれが始めたんですの?」と思い切ってたずねてみ... ...続きを見る
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はじめに リンゴ畑のマーティン・ピピン ...続きを見る
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「まだうちへは帰らなくてよ。ドアのなかへはいったら最後、きっと、もういちど鏡を通り抜けてもとのへやへ帰らなくてはならないし―そうしたらわたしの冒険も、すっかりおしまいになっちゃう!」 そこでアリスは、思い切って家へ背中を向けて、もういちど、道をくだり始めました。丘に着くまでは、どんなことがあっても、まっすぐ歩こうと決心したのです。しばらくはうまいぐあいにゆきましたので、アリスも、「こんどこそだいじょうぶ、」と言おうとしたのですが、そのとたんに小道がふいにねじれてしまい、(あとになってアリスが説... ...続きを見る
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BS2で、「ピーター・ラビット」の作者ビアトリクス・ポターの伝記映画「ミス・ポター」を最後の30分くらいを見た。 主人公のビアトリクスはメアリー・ポピンズみたいな帽子とドレスを着ていて、彼女が住んだイギリスの湖水地方の風景は穏やかで静寂に満ちていて本当に美しかった。そして、土地を売って開発しお金を得ようとする人々と、それとは逆に風景が破壊され人々のつながり... ...続きを見る
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少年が生まれて十二回目の四月のある夕、羊を集めに草原に出てみると、子羊が一ぴき見えなくなっていた。そこで、叱られるのをさけるため、少年は、しばらく丘の上で時をすごし、ジェラードじいが、用事で出かけるのを待っていた。じいが何の用事で出かけるのか、少年は知らなかった。ただ、毎年、おなじ日の夜になると、老羊飼いは、少年をひとりおいて出かけてゆき、夜中すぎの一時か二時にもどってくるのだった。そこで、親方が、もう小屋を出たなと思うまで、若ジェラードは羊を囲いに入れずにおき、さて、それがすむと、また丘を... ...続きを見る
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http://www.youtube.com/watch?v=zu51VLQ-2CQ&feature=related ← DEDICATION BAY CITY ROLLERS イングランドのジェラード、ルーニーがリヴァプールに近い町に生まれたことを知り、ふとベイ・シティー・ローラーズのこんな歌が聴きたくなりました。ジェラード、ルーニー、若者のために頑張れ! ...続きを見る
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宮崎の都農の尾鈴山の白馬伝説から、イギリスの白馬伝説を連想しました。 ...続きを見る
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ルイス・キャロルの出身大学オックスフォードがあるオックスフォードも、牛にちなむ名前なので、どんなところか知りたいと思って調べてみました。 ...続きを見る
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鷲津名都江(小鳩くるみ)さんの書かれた「英国への招待 マザー・グースをたずねて」(筑摩書房)を読んで、ルイス・キャロルの「ふしぎの国のアリス」と「鏡の国のアリス」はマザー・グースの知識なくては、この二つの物語を理解することは出来ないということを知ったのです。 まず、「ふしぎの国のアリス」は次のマザー・グースの詩が下敷きになって話が展開していくのです。 ...続きを見る
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「ただの私に戻る旅 自転車でゆくアイルランド 私の愛した街」(横井久美子 労働旬報社)という本を読んでいたら、次のように書いてある部分があり、ケルトとはどんなものかということの理解に役立った。 ...続きを見る
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菅原神社の牛越し祭りから、こんなマザー・グースを連想しました。 ...続きを見る
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戦後の日本と、ルイス・キャロル(1832 - 1898)やオスカー・ワイルド(1854 - 1900)が生きたイギリスのヴィクトリア朝時代はとても似通っており、その時代のことを知ることは、これからの日本のあり方を考える上で有益だと思います。ではこのヴィクトリア朝時代とはどんな時代だったのでしょうか? ...続きを見る
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「不思議の国の"アリス" ルイス・キャロルとふたりのアリス」(文 舟崎克志 写真 山口高志 監修 笠井勝子 求龍社)を読んでいて、49歳の若さでで数学講師を辞任していることを知り、オックスフォード大学のクライスト・チャーチを主席で卒業し将来を嘱望されたルイス・キャロルも時代の趨勢に勝てず不遇な一生を終わったのではないか、そう思い涙が止まらなかった。彼は在職中に学内風刺の匿名文書を発表したり、動物生体解剖のあり方に警告を発したりしている。「鏡の国のアリス」も「ふしぎの国のアリス」発表後、7年と... ...続きを見る
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牛と豚に関したマザー・グースを探してみました。 ...続きを見る
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「ふしぎの国のアリス」にはグリフォンとニセ海ガメというのが登場します。このグリフォンが何を意味するのか、考えるきっかけになったのが、「白い僧院 西欧歴史建築記」(竹村真一郎 相模書房)を読んでいてふと目にした次の箇所でした。 ...続きを見る
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作家のC.W.二コルさんは1940年南ウェールズ生まれ。1980年から長野県の黒姫にお住まいで、日本の森の復活という地道な取り組みをされてきた方ですが、17歳でカナダに渡り、カナダ水産調査局、環境保護局で技官として調査研究や石油流出事故の処理などを担当、エチオピアで国立公園設立、沖縄海洋博でカナダ館副館長など、ワールドワイドな活躍をされてきました。2005年には英国エリザベス女王から名誉大英勲章も下賜されました。おまけに私と誕生日が同じです!(^^)。二コルさんは御自分をケルト系日本人と言われ... ...続きを見る
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「鏡の国のアリス」に登場する伝令のヘイア(ヘア HARE)は野ウサギのことなのだそうです。世界中の昔話に出てくるウサギたちは、ラビットではなくヘアなのです。野ウサギのヘアは根っからの自由人で、老獪、知恵がよく働く。いっぽうのラビットは、野ウサギに比べればかなりおバカさんで見え透いている、そこが愛すべきところでもあるそうですが。 Butterfly LIVE カエラさんのお父さんはイギリス人だったのですね!カエラ (Kaela) とはヘブライ語で「最愛」の意味だそ... ...続きを見る
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イギリスのウナギ料理について更に調べてみましが、ウナギはイギリスでは中世にはすでに料理法はいくつか確立していたほどの伝統的な食材であり、11世紀のノルマン征服時代には、地方によっては家賃をウナギで支払うのが普通だったという記録もあるくらいなのです。19世紀中頃に、フィッシュ&チップスが登場して爆発的に流行り出すまでは、ウナギは庶民の人気ナンバーワンの魚だったようです。特に、ロンドン及びその周辺の労働者階級が多いエリアには、どんな細い路地にも一軒はウナギ屋があり、日本で江戸の町のあちこちにウナギ... ...続きを見る
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ウナギは沼にいることがわかったので、もしかして沼津にもウナギがいたのかなあと思って調べてみたら、沼津市に隣接した富士市のJR東田子の浦駅の西側は、かつて吉原宿と原宿の間の宿である柏原宿があった場所で、元禄時代以前からウナギやナマズの蒲焼が名物だったそうで、十返舎一九の「東海道中膝栗毛」にそのくだりがあるそうです。 一... ...続きを見る
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この前、外国船の船長をしていた浜松の伯父に「イギリスはどこに行ったの?」と聴いてみると、「ロンドンは港がないからテムズ川、サウザンプトン、リバプールも行ったけどあそこはアイリッシュ海っていう瀬戸内海みたいなところに面しているんだよな、それからアイルランドの黒ビールが美味しかったなあ」という答えでした。 イギリスを地図で見てみると、日本に置き換えてみると、スコットランドが東北、ウェールズが紀伊半島と四国、アイルランドが九州って感じかなあと思います。福岡からミュージシャンが多く輩出され、アイリッ... ...続きを見る
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昨夜何気なく「きれいになれる食べ物辞典 食材148の魔法の薬効」(今川香代子 PHP)という本を手にとってパラパラ見ていたら、次のようなことが書かれていた。 ...続きを見る
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ウナギといえば、イギリスにもウナギの伝統料理があり、ウナギパイやウナギのゼリー寄せという郷土料理が食べられます。イギリス発祥の地であるイースト・アングリア(ノーフォーク州・サフォーク州・エセックス州・ケンブリッジ州・リンカーンシャー州の一部、イギリス中東部ウォッシュ湾からテムズ川以北)のケンブリッジの北方にあるイーリー(ウナギの意味のイールから由来した地名)はドイツ北西部から移動し侵入してきたアングロ・サクソン人が建国した頃は、ウナギの繁殖する沼沢地だったのです。 ...続きを見る
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イギリスでは5月祭に、家々やメイポール(五月柱)を飾るのに、メイフラワー(五月の花)と呼ばれるサンザシ(hawthorn)の花枝が使われ、若い人はサンザシの花枝集めのために早朝に集まって野山に出掛けるのだそうです。5月1日のメイ・デーには、メイ・クイーン(五月の女王)が選び出されて、サンザシの花のかんむりを頭にいただきます。あのメイフラワー号のメイフラワーとは、サンザシ(hawthorn)のことだったのですね! ...続きを見る
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ルイス・キャロルについて考えていて、自分がイギリスの歴史についてよくわかっていないということに気がついた。それで、古代イングランドの歴史を簡単にまとめてみます。 ...続きを見る
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模範的アリス W・H・オーデン ...続きを見る
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昨晩から「鏡の国のアリス」をじっくり読み返していますが、このお話は当時の政治と切り離しては理解できないだろうと思いました。なぜなら、このお話は11月5日のガイフォークス・デー、1605年にイギリスで起きた火薬陰謀事件の記念日の前日のお話だからです。この事件は、圧迫され続けてきたカトリック教徒の不満分子が、国会の開会式の当日、隣席するジェームズ一世もろとも議事堂を爆破しようとした事件であり、密告者が出たため陰謀が露見し議事堂の地下に隠れていた点火役のガイ・フォークスが捕えられ事なきを得た事件で、... ...続きを見る
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ルイス・キャロルに興味を持ってから、手元にあるイギリス関係の本を片っぱしから本棚から出してきて読み返している。ルイス・キャロルが生まれ育ったチェシャー州のあるイングランド北部やオックスフォード、イギリスの料理などに関心を持ったから。私が子供の頃に、イギリスの児童文学や「嵐が丘」などに惹かれて読んだのも、やはりちゃんと理由があったということがやっと理解できた気がする。作家になる人って、やっぱり普通とは違う育ち方をしているんだなあと思う。 私は今、イギリスがマイブーム。ちょっと前まではドイツだっ... ...続きを見る
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ルイス・キャロルが生まれ育ったチェシャー州を含むイングランド北部はチーズの産地で、有名なものにチェシャー、ダービー、ランカシャー、チェダー、ダブル・グロスター、スティルトン、ウェンズリーデイルがあります。 北は羊の牧場... ...続きを見る
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「ふしぎの国のアリス」や「鏡の国のアリス」を書いたルイス・キャロルはいったいどんなところで生まれ育ったのだろうと、ふと、とても知りたいと思った。もしかして、彼も私と同じような場所で生まれ育ったかもしれない、そう思ったから。そして、彼の故郷はリヴァープールに近いチェシャー州のデアズベリー村であり、彼の父は英国国教会の牧師だった。「ふしぎの国のアリス」にチェシャ猫というのが出てくるけど、それは彼の故郷のチェシャー地方から由来しているのです。 私は彼の人間像を知りたいと思って「キャロル イン ワ... ...続きを見る
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昨晩ふと、「星を求むる蛾の想い 中世英文学における至福願望 関東学院大学人文科学研究所叢書」(多ヶ谷有子 八千代出版)という本を読み返してみようと思った。 この本は数年... ...続きを見る
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ときにめずらしく休みのあるときには―そして、休みでない日もだが―かれは、ワイルドブルックスまでにげていって、サギを見たり、川ばたの湿地にいって、世界一背の高いキンポウゲや、そのほか、十万もの川べの宝物―ばけ物のようなコンフリ(紫や白の)や、シモツケ草や、オトギリ草や、紫のオカトラノオや、アカバナや、それからあとの九万九千九百九十五―いや、そのほか、あんたのすきなどんな数でもいい、とにかく、あわせて十万になるほどの花を見つけたりするのだった。そして、しまいにはこのあたりの若者で、ワイルドブルックス... ...続きを見る
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こうして、ふたりは、たがいににくみあっていたから、少年が、じぶんの群のせわを任されてからは、ふたりは、べつべつに日を送った。ジェラードじいは、東にむかってチャントリまで、羊を追ってゆき、若ジェラードは、西にむかってアンバリまで羊とともにいった。美しいアンバリの丸屋根のような丘を、サセックス州じゅうのどの丘にもまして若ジェラードは愛した。そして、終日、ここに座って、雲の影が丘々の面をゆっくり動いてゆくのや、まるで暗い色の床の上を、光のじゅうたんがひろげられてゆくように、下の平地を雲のかげが走り、... ...続きを見る
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そして、最初はまず若ジェラードを、じぶんの羊の番の手伝いにしたが、つぎには、かれ自身に、うけもちの群をもたせた。このふたりのあいだには、愛情のかけらもなかった。蹴られたり、ののしられたりしたりが、若ジェラードが毎日うけるしうちだった。というのは、若ジェラードは、ちょいちょい怠け、ちょいちょいずるけたからだ。かれが怠けても、何もかれの責任になることではなかった。責任をとるのは、若ジェラードを、ちびりちびり、一年一年と、領主に売り付けているジェラードじいのほうだった。このような弱味があったからこ... ...続きを見る
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ジェラードは、真夜中に、さっと吹きこむ風と、ぱたんとなる戸の音で目をさました。そして、にぎりこぶしで目をこすりながら、とびたつように立ちあがると、「ふしぎな女たちの夢を見たが、あれは、夢か、うつつか?」と考えた。かれは、小屋のなかを見まわした。すると、老婆は、まったくかき消えていたが、若い婦人は、またジェラードのベッドの上にいた。そこで、老婆は、ようすを見に行ってみると、かの女は死んでいた。しかし、そのわきには、生まれたばかりの赤子が横たわっていて、目をひらき、ジェラードにむかって泣き声をあ... ...続きを見る
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今日は、静岡おはなしかごの会の方からお誘いをいただいて、静岡市のえざきホールで行われた尾松純子さんの「語りと音楽のコンサート」に参加してきました。 ← おはなし*こばなし*ゆめばなし 11時過ぎのバスに乗り、12時半過ぎに静岡駅で降り、出掛ける前に家で軽く食べてきましたがコンサート前に少し食べないといけないと思ったので呉服町の地下街で和風スパゲッティとスープとアイスティーの600円のランチを食べました。13時15分くらい... ...続きを見る
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春の朝 D・H・ロレンス 志賀勝 訳 ...続きを見る
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「ふしぎの国のアリス」に登場する白ウサギはどういう意味を持っているのかと思って、「一角獣・不死鳥・魔女−英文学の周辺」(船戸英夫 弓書房)という本を取り出してきて調べてみた。そうすると次のように書いてあった。 ...続きを見る
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昨夜2時頃に起きて「ドイツ音楽歳時記」(樋口隆一 講談社)を読んでいたら、次のように書いてある箇所が目に留まった。 ...続きを見る
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イギリス関係の本を読んでいて、ふと、M.H氏のどうでもよさげなところへのこだわりは、書誌学者の林望さんに似てる気がした。お髭の感じも似てるしなあ・・・。ただ、リンボウならぬビンボウ先生になりそうで・・・(ぷ、おっと失礼!笑) ...続きを見る
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「ゲド戦記」の翻訳等で知られる児童文学者の清水真砂子さんは、1976年以来長年、青山学院女子短期大学で教鞭を取られ、今年度で定年退職されるそうです。清水真砂子さんは、イギリスに留学されていた時代があり、その時に大学の後任として勤務されたのが、昨年11月に静岡市立中央図書館でリンドグレーンの作品と人生についての講義をされた市村久子さんだそうです。市村さんが、イギリス児童文学の旅に出られた時に、清水真砂子さんがイギリス留学中でコーディネーを務められ、ファージョン、サトクリフ、ブリックス、ルーシー・... ...続きを見る
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私って、身を削って社会のために尽くしているんだなと思ったら、シェイクスピアの「ヴェニスの商人」を思い出した。 ...続きを見る
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ロビンフッドといえば、こんな歌ありましたよね! おーい、どこいったのかなあー?「風の谷のナウシカ」も見ないとあかんなあ・・・。 ...続きを見る
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私の大学時代って女子大生ブーム、お嬢様ブームで、オシャレな女子大生はみんなブランド物の服やバッグを持っていたよね。そういう人って「JJ」とか読んでたよ。もっとお嬢さんだと「クラッシィ」だったかな。私は親に高い服を買ってもらえるお嬢様でもないし、バイトしてブランド物の衣服を買うような女子大生でもなかった。大学1年の頃はテニスサークルに入っていたので可愛く見られたくてミニスカートはいてたし、大学2年で専攻に進んだら黒ずくめのデザイナーズブランドとか着てる人が多くて、私はそんなのも似合わないし、でも... ...続きを見る
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墓場に隠れ特別な薬を飲んでジュリエットが仮死状態になるということから改めて「ロミオとジュリエット」に関心を持った。子どもの時には「そんなことあるわけないだろ」と思ったけど、自分がそういう経験をしてそれは現実にあり得ることで、それを劇にしたシェイクスピアっていったい何者?と思ってしまったのです。彼自身もそういう体験をしたのでしょうか? 「ロミオとジュリエット」はシェイクスピアの初期33歳頃の作品で、29歳「じゃじゃ馬ならし」、31歳「真夏の夜の夢」です。原話はかなり古いイタリア文学の伝承物語に... ...続きを見る
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小学生高学年から中学1年くらいの時好きだったのはコレ!部屋にポスター貼ってました! ← I only wanna be with you-Bay City Rollers ベイ・シティ・ローラーズ!海の少女の私にピッタリ?(^^)。今日は布施明コンサートだから、これから気分盛り上げていかないとね! ...続きを見る
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今日は大寒の日。欧米では聖アグネス祭前夜です。聖アグネス(293−306)はローマの富豪の家に生まれ、早くからキリスト教に帰依し、ローマ郊外で殉教した時はわずか13歳でした。生前に"キリストの花嫁"と称していたこととあいまって、清純無垢な少女達の守護聖人として崇められています。明日1月21日が聖アグネスの記念日で、昔から祝われてきましたが、その前夜の今日にはおまじない(右のストッキングに左足用のガーターをするなど)をすると夢の中に将来の結婚相手が現れると言われています。 ...続きを見る
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螺旋ということを考えていたら、ふと「ジャックと豆の木」というお話があったのを思い出した。懐かしい〜、今でもこのお話子ども達知ってるのかな? どんなお話だったか調べてみると、 ...続きを見る
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本によれば、ハロウィーンには早く結婚したいと願う女の子の願掛けが行われるのだそうです。今もこんな古風な風習が残っているのでしょうか?私の子どもの頃にも、花を摘んで「好き、嫌い、好き・・・・」という恋うらないをした覚えがありますが、今どきの子がそんなことするんでしょうか? ...続きを見る
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今、NHKの夕方の番組で、徳島の柚子ジュースがフランスの三ツ星レストランのシェフに人気だということが紹介されていました。このジュースは手搾りで男性だと力が入り過ぎてしまうので女性によって搾られるというのがミソだということ。それはワインが娘達の足で搾られるのと似ていますね?(^^)。 ...続きを見る
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料理も作れないといけないけど、これから冬だし紅茶の美味しい入れ方を覚えようと思う。私は20代の頃から紅茶には詳しくなりたいと思って、会社帰りに高島屋の地下で紅茶を買ったりしたこともあったし、シンガポールに行った時も紅茶をお土産に買ってきたりしたけど、いつもしまいっ放しでちゃんと飲んだことがなかったなあ。ほんと、全然人生に余裕なんかなかったんだと思う。 「お菓子といっしょに紅茶の本」(鎌倉書房)なんて本も15年くらい前に買って時々眺めるだけで何も活用してなかったよー。この本は堀井和子さんとか... ...続きを見る
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「風にのってきたメアリー・ポピンズ 帰ってきたメアリー・ポピンズ」のあとがきを読んでいたら、作者のパメラ・L・トラヴァースについて次のように紹介されていた。 ...続きを見る
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生姜(ジンジャー)といえば、ジンジャー・パン。私はこのジンジャー・パンなるものを、子どもの時に「風にのってきたメアリー・ポピンズ」の「コリーおばさん」のお話の中で知ってとても興味をそそられたのでした。メアリー・ポピンズはマイケルとジェインを連れて買い物に行き、肉屋さんと魚屋さんで買い物をした後にこのジンジャー・パンを売っているお店に行くのです。いつもジンジャー・パンを買っているジョンソンさんのお店ではなくて。 ...続きを見る
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「心の美術館」(シスター・ウェンディー・ベケット 新教出版社)を読んでいて心に残った言葉。 ...続きを見る
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「漱石ひきこもりの謎 百年のタイムトリップ」を見た。私は今まで漱石の作品はどうも自分に合わないような気がしていたけれど、この番組を見て初めて彼のことを身近に感じることが出来た。 漱石は自分のやりたいことがわからずはるばるロンドンまで行き、自分の価値観やプライドを亡くすほどの体験をした。そして、彼は西洋讃美にも、日本讃美にもならず、自分を掘り下げることで自分の存在価値を見出し、帰国してから小説家となった。私は彼のように外国に留学したわけではないけれど、東京に行き同じようにプライドが粉々になり、... ...続きを見る
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映画「プライドと偏見」の原作者であるジェーン・オースティンについて調べてみました。 ...続きを見る
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仕事から帰ってきて、愉しみにしていた「プライドと偏見」を途中から見る。エリザベスになり切って見る。映像がとても美しくて、エリザベス役の女優さんが本当に魅力的で綺麗!こんな素敵なことが現実に私に起こったらどんなに素晴らしいか・・・。 ←「プライドと偏見」 原作はジェーン・オースティンの「自負と偏見」。姉が大学の英文学の授業で読んだと言っていたので題名だけ知っていたけ... ...続きを見る
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環境保護、アーツ・アンド・クラフツ、少女愛というようなことからイギリス世紀末の文学にがぜん興味がわいてきた。その中で新たに興味を感じたのがオスカー・ワイルド。「幸福な王子」の作者です。 「幻想の風景庭園 ポーから渋澤龍彦へ」(富士川義之 沖積舎)に次のように書かれていた。 ...続きを見る
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私はシェイクスピアにはずっと興味がなかった。私がシェイクスピアについて語れるのは、子どもの時に岩波少年文庫のラムの「シェイクスピア物語」(野上弥生子訳)を読んだこと、大学時代だったかに「十二夜」を友人達と一緒に見に行ったことだけ。あとは、小学生の時に姉が演劇クラブで「ベニスの商人」のポーシャ役になったこと、映画で「ロミオとジュリエット」を見たこと、ポプリ研究家の熊井明子さんが「シェイクスピアの香り」という著書を書かれていて、その本を持っていることくらい。 シェイクスピアは何だかとても難解なセ... ...続きを見る
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おばちゃんとはいえ、「少女」ということは私の研究テーマの一つであることには変わりはありません。少女愛ということを考えていて、ふと思い浮かんだのがラスキン(1819−1900)でした。20世紀の多くの思想家や政治家に影響を与えたこのイギリスの思想家の人生に興味がありますし、彼と交流があったというオクタビア・ヒルという女性社会活動家に私は以前から興味があるのです。彼女のことは、阿佐ヶ谷のブックオフで見つけた「ナショナル・トラストの旅」(横川節子 洋販出版 1997)という本で知り、とても強い興味を... ...続きを見る
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今日は浜松方面に遊びに行く予定だったけれど、あいにくの雨のため家でテレビを見たり本を読んでいた。BS2で映画を少し見たけれど、今日は「ナニー・マクフィーの魔法のステッキ」「マイ・ドッグ・スキップ」「小熊物語」とやっぱり「こどもの日」らしいラインナップだった。 「ナニー・マクフィーの魔法のステッキ」は最後の結婚式のシーンから見たけれど、これは「サウンド・オブ・ミュージック」と「メアリー・ポピンズ」を合体させたような作品のような。 ...続きを見る
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昨夜、「霧の都」(ホープ・マーリーズ 船木裕訳 ハヤカワ文庫)という本を読み返していた。この本はまだ20代の頃に出逢って心惹かれながら何度読んでもきちんと読めない本の一つ。 霧のラッドはドメリア自由国の都で、この小さな国の西には妖精の国がある。ドメリア自由国は昔はオーブリ公爵家の領地であり、住人は貴族と農民からなっていたがしだいに中産階級がのしてきた。公爵家も一代ごとに横暴になってゆき革命で公爵家をはじめとした貴族が姿を消し商人階級が全ての行政・立法権を握ってから、およそ200年来魔法や空想... ...続きを見る
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桜がきれいだと思える心の余裕があることは、本当に幸せなことだと思います。そして、そういう時こそ周囲の人への思いやりを忘れないでいないといけないですね。キリスト教では、子供達は復活祭の数日前から近所の家を回って、卵やその他の物をもらい歩くそうです。この時には次のような唄が歌われます。 ...続きを見る
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今日の「クローズアップ現代」は、発達障害児教育の先進国イギリスの取組みを紹介していた。 イギリスでは発達障害児教育に多額の予算を割き、一人一人についての適正な支援プログラムを作成するコーディネーター、担任、それに多数の学習サポーターが生徒一人一人を細かく観察し置いていかれる子供がないようにしている。そしてこの学習サポーターには資格は必要とされていない。もし日本でもこのような役割の職員が配置されたら、是非私は... ...続きを見る
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最近、テレビを良く見るようになった。先日の土曜日は「テレしず通りパロパロ」という番組を見ていた。 昨日「歳時の博物誌」(五十嵐謙吉 平凡社)を読んでいたら、次のように書かれていた。 ...続きを見る
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今日もいい天気ですが、遠州地方は風が強いです。最近、静岡方面に出かけて行くようになって気づいたのだけど、藤枝もそうだったけど静岡付近って空気がまったりしてますよね。なんか暖か過ぎて脳細胞が退化しそうな感じが・・・。 それに比べるとこっちは全然違います。時には寒風が吹きつけて、北陸からこちらに越してきた方や富士の酪農家からお嫁に来た人が、こっちの方が寒いって言うんですから。そっちが静岡なら、こっちは嵐が丘って感じかなあ。 ←なんか「くさデカ」の平畠啓史みたいなギャグ? ...続きを見る
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今朝のニュースで、イギリスのリバプールで奴隷貿易の歴史の事実を後世に伝えていこうという取り組みがされていることが紹介されていた。奴隷貿易の事実を知った子どもは「今まで全然知らなかった。とてもショックだ」とか「このことを知ればみんな差別をしなくなるんじゃないかと思う」と言っていた。このリバプールに限らず、アメリカでは原爆のことがあまり知られていないとか、日本では沖縄の集団自決とか南京虐殺の事実が歪曲されようとされているとか、人間というものは自国や自分がしてきた悪いことから目を背け隠蔽しようとする... ...続きを見る
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片山敏彦の「橄欖のそよぎ 片山敏彦著作集第4巻」(みすず書房 1971)を読み返していて、ルパート・ブルックという夭折したイギリスの詩人のことが好きになった。 ...続きを見る
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「パニュキス」を書いたエリナー・ファージョンは、1881年ロンドンに生まれた。父のベンジャミン・L・ファージョンは、貧しい生まれのユダヤ系のイギリス人で、13歳の頃から、ある新聞の印刷所の徒弟として、朝から晩まで働かざるを得ない身の上だったが、思う存分本を読むことを願っていた。ある日仕事場に向かう途中の古本屋の店先で立ち読みをしていたベンは、そこの主人の好意で、そこでただで本を読めるようになった。勤勉に働きながら、本を読み空想の世界で遊ぶうち、彼は厳しいユダヤ教的な自分の生活に息苦しさを感じ、... ...続きを見る
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「グレイ・ラビット」シリーズなどで知られるイギリスの児童文学作家のアリソン・アトリー(1884〜1976)は、マンチェスター大学で当時最先端の学問だった物理学を修めた女性だ。 マンチェスター大学はイギリス国内屈指の物理学と数理科学の学部を有することで知られており、アリソンが入学した時の実験物理学の教授はケンブリッジ大学のカヴェンディッシュ研究室の創始者であるJ.J.ト... ...続きを見る
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最近、動物や植物のことにすごく興味があるのだけれど、イギリスにはアリソン・アトリーだけでなく、ビアトリス・ポター、ケネス・グレアム、「クマのプーさん」といった動物を主人公にした児童文学の伝統がある。だから、私も動物や植物のことを研究することが、児童文学作家になるために役に立つかもしれないなと思った。とにかく何を作るにもしっかりした下地がないと良いものは作れないと思う。地道にしっかり勉強したい。 ...続きを見る
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「物語の紡ぎ手 アリソン・アトリーの生涯」(デニス・ジャッド 中野節子訳 JULA出版局)を読んでいたら興味深いことがわかった。アリソン・アトリー(1884〜1976)の生まれ故郷はイギリスのダービシャーのクロムフォード村であり、イギリスの産業革命の達成に力を貸したアークライト(1732〜1792)の村でもある。彼は世に先駆けて、この人里離れた地の利と急流に恵まれた豊富な水の供給を利用した綿紡績機を開発し、周辺の村から労働者を集めて、当時としては画期的な一台工業地帯を形成した。また村の近くには... ...続きを見る
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昨晩、故ダイアナ王妃の特集番組が放映されていた。見るのを愉しみにしていたけれど、どうでもいいような再現映像が続いたので飽きてしまい結局そのまま寝てしまった。 ダイアナは、いつも愛を求めながら愛を与え続け結局一人の女性としての幸せには恵まれなかった。彼女はやはり聖母マリアなのだ。彼女は両親が離婚していて家庭的に恵まれなかったし、もう一つ重要なのは彼女が決して知的な女性ではなかったということだと思う。学校の成績は良くなかったし、大学を出ているわけでもない。結婚する前は保育士でキャリア・ウーマンで... ...続きを見る
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今日は久しぶりにすごく不愉快な気持ちで家に帰ってきた。大人の身勝手さが許せない気持ちだった。私は大人より子供の方がずっと人間が出来ていると常々思っている。なぜなら子供は他人のせいになんかしないで、自分が悪くなくても自分が悪いと思って一生懸命頑張るからだ。動物だって何も文句を言わないで頑張って生きているんだから。 ...続きを見る
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最近、サマセット・モームに関心があり、彼がどんな人か知りたいと思っていた。 「モーム グリーン 世界文学大系89」(筑摩書房 1961)の解説を読んで、より親しみがわいた。 ...続きを見る
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BSでイギリスの女流作家アイリス・マードックがアルツハイマー病に冒された晩年を描いた「アイリス」を見た。マードックは熊井明子さんが著書の中で取り上げているので、その作品を読んだことがあり興味を持っていた。 この映画を見ながら、作家であり哲学者でもあった才能あふれる彼女の恋愛はどんなに華やかなものだったろうか興味がわいた。そしてその作品と人となりをもっと詳しく知りたいと思った。私もとうてい物書きとは言えない... ...続きを見る
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バンベルクの聖オットーが守護聖人となっているポネラニア地方がどんなところか調べてみたら、ここは犬のポネラニアンの原産地だということがわかった。ポメラニアンの祖先犬はスピッツ族だそうだ。 私が何度もこのブログで取り上げている音楽グループのスピッツも、このドイツ語の尖ったという意味のある犬のスピッツがグループ名になっている。 ... ...続きを見る
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午後は中野好夫の「シェイクスピアの面白さ」を読んだ。研究というよりも作品そのものを楽しんで読むという姿勢で書かれているので、とても面白くすんなりと読めた。また詳しく書きたい。シェイクスピアについては、手持ちの本では福原麟太郎の「春のてまり」(三月書房)や吉田健一の「ヨオロツパの世紀末」(筑摩書房)や「文学人生案内」(講談社文芸文庫)に記述があったので、まずはそれを手始めに勉強することにした。 5時過ぎに御前崎市立図書館に行って、演劇の本を手始めに10冊借りたが、他にも借りたい本がたくさんあ... ...続きを見る
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私にとって、生野幸吉とは、子供の時に読んだ「ふしぎの国のアリス」「鏡の国のアリス」(福音館書店)の訳者です。私はつい最近まで、この本の訳者が生野幸吉というドイツ文学者であることに気がつきませんでした。早朝この「ふしぎの国のアリス」の生野幸吉のあとがきを読んでみて、英文学の専門家でない、この人が本当にルイス・キャロルという人間を理解していることがわかり、読みながらジーンとして涙がうっすらと目に浮かびました。あとがきの中で特に心に残った箇所を書き記しておきたいと思います。 ...続きを見る
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う〜ん、なかなかいい試合だった。川口のセーブは素晴らしかったし、中田も、稲本も良かった。柳沢や小笠原などはちょっと物足りなかった。やっぱり海外で鍛えられている選手は違うということか。中田と稲本はイギリス、中村はスコットランド、大黒はフランス・グルノーブル。みんな、がんばっているんだ。最近ちょっと興味を無くしていたけど、これで少し勉強になった。何度か危ない場面もあったけど、日本の方が押してた感じはした。相手に攻められても点は入らない気がしたし、でも、こっちも何かが足りない気がした。観客としては満足... ...続きを見る
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突然ですが、シェイクスピアの「ヴェニスの商人」を読んでいました。どうしてかというと、姉は小学校の時に演劇クラブだったのですが、その発表会の時に長いドレスを着ていた記憶があったので、もしかしてと思い、何の役をやったかと聞いたら「ヴェニスの商人」のポーシャの役と言うのです。それで、あわてて「ヴェ二スの商人」を読んでみたのです。訳は当然、福田恒存訳です(笑)。 ...続きを見る
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世界じゅうを、すみずみまでずぶ濡れにしようときめているような雨だ。屋根をたたき、窓ガラスをつたい、といを流れ、木をふるわせ、土にしみこむ雨。 ...続きを見る
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ボルドーという都市に、何だかとても興味が湧いてきた。ボルドーはフランスのアキテーヌ地方の中心都市。12世紀の半ば、アキテーヌ公領の相続人のエレオノール・ダキテーヌがフランス王妃から離婚、アンジュー伯アンリ2世と再婚し、アンリ2世が2年後に英王ヘンリー2世となった(プランタジネット王朝)ため、アキテーヌはイギリス領となった。その後百年戦争を経て、またフランス領に戻った。アキテーヌは、ローマ時代はアキタニアと呼ばれ、これは"水の国"の意。アクア(aqua 水)が語源なのだろう。 ボルドーは、大きな... ...続きを見る
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今週末、中村真一郎の会設立総会に出席するために上京しましたが、昨日の夕方帰路に着く前に立ち寄った銀座の教文館の「ナルニア国」のナルニア・ホールで偶然見ることができた「アリソン・アトリーの世界展」がとても素敵でした。会期が26日(水)までなので、取り急ぎ紹介しておきます。 イギリスのダービシャーで生まれ育ったアリソン・アトリー。故郷には様々な伝説や昔話のかけらが遺されていて、それに親しんで育った彼... ...続きを見る
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